ゴリカ!
Posted at 03/12/14 PermaLink» Comment(0)»
昨日は、以前ニィの会社で秘書をやっていたミラの結婚パーティーにお呼ばれした。新郎はミラが転職した先で知り合った英国人だ。
ビシケクでは今までにも何度か結婚のお祝いに行ったことはあったけど、思えば、どれもムスリム系民族同士の結婚だったからか、「ゴリカ」みたいなことはなかったんだった。
★ 「トイの夜」 トルコ男とウイグル娘の場合
「タマダ」と呼ばれる司会進行役が仕切り盛り上げるお祝いパーティーでは、ゲームやダンスの合間合間に、親戚から招待客まで順々に新郎新婦の前に出てお祝いのことばを述べる。
そして、ひとはコレをロシア風(はたまたスラヴ風)ウェディングのお約束、というのだろうか、みんなあいさつの最後に新郎新婦に向かって「ゴリカ!」と命ずるわけである。
これが出たら新郎新婦はかならずキスで応えなければならない。ほっぺにちゅっとかそんなんじゃ許されない雰囲気があり、お客さんたちが手拍子しながら「ゴーリカ!ゴーリカ!」と容赦なくコールを繰り返す間はとーぜんぶちゅーっと継続あるのみである。
そもそも「ゴリカ」というのはロシア語で「苦い」とか「辛い」とかいう意味なんだけど、甘~いはずの新婚キッスもあれだけ何度も強制されたらそりゃもー「ゴリカ」だわな、、とはわたしなりの解釈。
わたしとニィにも新郎新婦にあいさつする順番が回ってきた。
ここはひとつニィにしゃべってもらって、わたしは締めくくりにゴリカ一発かませばいいや~とか思ってたら、新郎に「日本語でなにか言ってほしいな♪」とウィンクまじりにおねがいされてしまったので、これを拒否するわけにもいかず、「オ、オメデトウゴザイマス!」と若干どもりながら、ひさしぶりのジャパニーズ発声。
意味わかるひとがいないところで日本語しゃべるというのは、まったくなんというテレくさ感か。いや、もうちょっと気の効いたこと言えばよかった、と後悔してもみたり。
写真:ごらんのとおり、ゴリカ中の新郎新婦
ニィの会社ではミラとアーニャが秘書として働いていた。
見た目から言うと、ミラは地味でおとなしい感じで、アーニャは決してハデハデなタイプではなかったけれど、きれいなひとでなんとなく華があった。仕事上でもミラはどちらかというとアーニャの補助的な役割だったので、大きなプロジェクトが終わってビシケクのチームが大幅縮小すると、アーニャだけが会社に残ることになった。
ミラはそれから別の仕事を見つけたようだったけれど、このままキルギスに残るよりロシアに移住しちゃったほうがいいかも、なんて考えてもいたそんな矢先、ニィの会社と仕事でつながりのあったヨーロッパ系企業が秘書を探していたので、ニィの上司がミラを紹介した。
それが彼女の行く先を変えるきっかけになる。なにより未来のだんなさまとめぐり会うことになったんだから。
キルギス(もしかしたら旧ソ連)の女の子たちにとって、いわゆる“西側”先進国の外国人と結婚にまで至るということは、それだけで「豊かさ」とか「もっとずっとよい暮らし」をゲットできる、という現実的で重要な側面を持ってるのも事実。
でもミラをラッキーだと思うのは、お相手の英国紳士が、会社の運転手が証言するとおり「毎晩仕事場から家に直行する」ような、このへんにいるガイジンにしてはめずらしく(苦笑)マジメな、ぽわんとした雰囲気が優しげな、なんというか裏表のなさそうなひとだから。彼はこんな性格のおかげでビジネスの世界では損をすることもあったみたいだけど、結婚相手としてはそう悪くもないんじゃないだろか。
でもまぁふたりを見てたら、ミラはちょっと甘えすぎ、甘やかされすぎ。新郎自身、ミラに「おまえはラッキーなやっちゃ」て言いながらもなお、甘やかしてるし。。
て、それが「新婚」てゆものなのかしら?(ヤボ)
さて一方、失業することもなくとりあえずニィの会社で現状維持となったアーニャのほうはというと、何年もつきあっている恋人がいたようだったけれど、結婚についてはかなり慎重に考えていた。「彼と結婚すべきか、結婚してもしあわせになれるかどうか確信が持てない」みたいに話していたことがあったから。
そんなアーニャはやがてお母さんといっしょにロシアへ移住することに決めた。ニィの会社を辞め、その恋人とも別れ、その他いろんなものを処分してキルギスをあとにした、はずだった。
ところが、ロシアへ行ってから妊娠していることが発覚し、アーニャは一時キルギスに戻ってきた。でも元・恋人はアーニャの妊娠を知っても責任取るとかヨリを戻すとかいう気はなく、彼女はあきらめてまたロシアへ帰って行ったのだった。その後、向こうで無事赤ちゃんを出産したと聞いているけれど、キルギスを離れてもう1年半近く経つ今、まだ仕事のアテもないらしい。
最初ちょっとツイてないと思えたミラが現時点では「シンデレラ」的展開を見せている。
振り返ってアーニャのことを思うと、なんだかなぁ~という複雑な気分になる。
人生もまたゴリカ。
この先も、誰になにが起こるのか、なにがどう転ぶのか、神のみぞ知る。