皆殺しのシナリオ

Posted at 04/09/10 Comment(0)»

昨夜、モスクワにいる北オセチア出身の友人と連絡がとれた。
彼はニィの大学の1年後輩で、わたしたちの結婚前後にはイスタンブルで近所に住んでいたのでよく行き来もあったし、その後彼が就職してモスクワに移り住んでからも、ニィが用事で向こうに行ったときには彼のところに泊めてもらったりしていた。

ベスランで学校占拠事件が起きて、ニィは彼にメイルを送っていたのだが、返事がないので少し心配していたらしい。というのも、彼の母親がベスラン出身(つまりそこには彼の親戚もたくさんいることになる)、と聞いたような覚えがあったから。それで昨日は彼のケイタイに何度か電話をかけてみたのだった。

夜になってつながった電話の向こうの彼は、事件で遠縁の親戚が何人か亡くなった、と話した。それで里帰りしていたらしい。

「(新聞やテレビは)ぜんぶウソ、デタラメばかり」
「こういう国(=ロシア)に住んでいて、望み得る“最良の結末”はこれなんだよ」

そんなことを彼は言ったという。
それがどういう意味なのか、彼が現地で何を見て聞いて直感したのか、知りたいと思った。でも、そんなにアレコレたずねる気にはなれなかったよ、とニィは言った。

また皆殺しだよ!
この事件のことを最初に聞いたとき、率直に言って、わたしにはそれしか頭に浮かばなかった。ニィもやりきれなさそうにうなづいた。
犯人のことを“テロリスト”だとか“チェチェン”だとかいうとき、ロシア政府にはハナから“話し合い”や“交渉”といった選択肢はない。そしてロシアの特殊部隊というのは、最終的に“事件を解決”するためにはテロリストも人質も関係ない手段に出る。本気で人質救出を考えてるとしたら、突入なんてそうカンタンにできるわけないのだ。しかも今回のように場所が学校となれば、子どもたちがその大きな犠牲になるのはわかりきっていた。
だからわたしはもう何も知りたくなかった。ニュースを見るのもなるべく避けた。
ところがニィはというと、事件発生からずうっとインターネットに張りついて、ロシア、チェチェン、オセチアのサイトをかわるがわるチェック。それをわたしにも説明してくれたおかげで、錯綜する怪情報はこの耳にもしっかり入ってしまっていたのだけれど。

この事件、ロシア捜査当局の“公式発表”はどうであれ、はっきりしないこと、腑に落ちないことが多すぎる。
そもそも犯人は誰なのか、という肝心のところがわからない。
これが明らかにされないかぎり、真相はわたしたちにはわからないまま、あらゆる可能性が考えられるまま、不安と疑心だけが残る。

チェチェン総合情報
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