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Saimaly Tash

イシククル湖の北岸、避暑保養地として有名なチョルポンアタの町の近くに、岩絵(ペトログリフ)野外博物館がある。
こうした遺跡は、一般に「サイマル・タシュ」と呼ばれている。キルギス語で「絵で飾られた石」という意味だ。

湖を望むサイマル・タシュは、紀元前にイラン系民族のサカ人が描き残したものともいわれるが、詳しいことはまだよくわかっていないという。絵の題材は、野生の山羊、馬、犬や狩りをする人の姿など、主に生活に身近なもの。狼や豹が描かれたものもあるが、その数は少ないらしい。

この野外博物館のガイドさんは、以前外国人のグループを案内しているとき、岩の上に大きくてりっぱな角をもった野生の山羊がすっくと立っているのを見たという。その偶然に大喜びした旅行者たちが近づいて写真を撮っても山羊は逃げようともせず、じっと彼らのほうを見つめていた。
「きっと昔のひともこんな光景を見て絵に描いたんだわ!」
はっとした思いだった、とガイドさんは興奮気味に話してくれた。

しかし、サイマル・タシュについて知識のない地元の人々は、勝手に石を持って行って建築資材にしてしまったり、ここに家畜を放牧してしまったりするという。それを防ぐために最近フェンスも設置されたが、入口のところだけ。広い敷地を囲うようなものではないから、気休めにすぎないような気がしないでもない。
それに、ここに並んでいる岩はどれも長年強い太陽を浴び続けた結果、表面は黒く焼け、薄い葉のようにぱりぱり剥がれてしまうような状態。そこで、表面に彫り付けられた絵が剥がれ落ちないような修復はされているというが、このままの環境でホントにだいじょうぶなんだろか。。。
からりと晴れわたった好天気、それがちょっと憎らしくも思えた。

キルギス国内にはこの他、タラス、ジャララバドなどにもサイマル・タシュがあるが、いずれもアクセスはそう簡単ではなさそう。一方、カザフ国境近くにあるチュムシュのサイマル・タシュは、ビシケクからの日帰りも可能。

 

May 2001, Kyrgyz Republic
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[06/7/2001]