イルハン・マニア!

İLHAN MANİA(イルハン狂)という見出しの新聞(2002年7月3日付・Star紙)を見かけ、思わず手にとってしまったワタシ。ブラジルとの初戦からトルコ代表を見てまいりまして、おはずかしながらイルハンにも心ひかれてきたものですから。

さて、今回ほぼ1ヶ月間、W杯の最後まで登場しつづけたトルコ代表のおかげで、トルコという国そのものの知名度も一気に急上昇。
今までトルコなんてまーったく気にしたこともなかったひとたちが興味をもつようになった。「トルコ」といえば「あぁ、あのサッカーのね」てな具合に反応してもらえるようになった。これはある意味すごいことだ。そしてどうやらイルハンもそれに一役買っているとは。

その新聞記事では、2003年を「トルコ年」とした日本を訪れた、トルコのいわゆる旅行業協会の会長が目にした「イルハン現象」を紹介している。
イルハンのプレイもさることながら、東アジア人をイメージさせる例のちょんちょこりん結びと、ちょっと切れ長なあの目(トルコ語で「çekik」という)にヤマトナデシコたちがんも〜ぉメロメロ、というのだ。

でも髪型についていえば、ブラジルのロナウドも、そーとー日本の童(わらべ)状態なんだけどな。。
たしかイルハンも中国戦くらいまではアルゼンチン風なひもヘアバンド(デコバンド?)だったのに、その後あのちょんちょこりんで登場するやツキを呼び込んだか、ブレイクのきっかけに。なにも日本人にウケようと思ってやったわけじゃなかろうに、いったいなにが幸いするかなんてわからんもんである。
平ぺったいモヒカンなウミト・ダヴァラも、初戦ではフツウのロングヘアだったのに、ずいぶんと思いきりのよい散髪をかまして目をひいたのはたしか。彼の場合は、トルコの子供たちに圧倒的に支持され、「ミニ・ウミト・ダヴァラ」を巷に増殖させたけれど、世界の女性諸君があの髪型をどう思ったのかは実際のところ、不明。

とまぁそれはともかく。
そのトルコからやって来た会長に、日本の旅行業界関係者は「ひとつ、イルハンを日本に連れて来いや。イルハン使えば、少なくとも30万人は日本から観光客送り込めるでぇ」とそそのかしたそーで、その気になった会長はといえば、イルハンの所属クラブ・ベシクタシュから許可をとりつけるつもりになっているとか。
いったいナニを根拠に30万人なのか、そんなこと言う日本人も罪なヤツである。

ところで、準決勝のブラジル戦のとき、日本まで応援にかけつけたイルハンの両親がTVのインタビューに答えていた。それを見たわたしの第一印象といえば・・・
「なに?中央アジアのひとっ?!」
お母さんはスカーフこそかぶっていたけれど、なんだか日本の田舎とかでもばったり出会っちゃいそうな、素朴ぅな感じのパパとママ。それこそキルギスあたりじゃ、うちのご近所さんにいてもおかしくないタイプ。これはちょっと意外であった。
ベシクタシュ・サポーターの知人によれば、イルハンはドイツ育ちながら、両親は元々トルコのエスキシェヒルという町の出身。そこはタタール系移民が多いそうで、どうやらイルハンもその系統、つまり民族的にはコテコテの「トルコ人」ではない、らしいのだ。
ちなみにイルハンのおじいちゃんや親戚たちはまだその村に住んでいて、孫の活躍ぶりにたいそうよろこんでいるそうな。

はは〜ん、これだわね!20代後半にしてなんとも中性的な愛らしさすら保てている、この「トルコ人離れ」したルックスの秘密はっ。
試合中に見せるケンカっ早さとは裏腹に、ふだんの性格はもっぱら「シャイ」「内向的」(「çekingen」「içe dönük」)との評判。
そういえば、イスタンブルの空港からタクシム広場への凱旋パレードのときも、他の選手は14時間以上のフライトのあとだっていうのに元気いっぱい、沿道に詰めかけた群衆に愛想をふりまいていたけれど、イルハンはほっとんど姿を見せず、日本人に負けず劣らず「イルハン命」のトルコ人ギャルがどんなに黄色い声で「イルハーーーーン!」と絶叫しても、「サインしてぇぇぇぇぇっ!」とオープンルーフのバスにTシャツを投げ込んでもムダなのであった。「イルハンにサイン頼んでぇっ、おねがいぃぃ」って言われてるユルドゥライなんか、ちょっとかわいそだったぞ、おい。
そうこうして空港から3時間半もかけて到着したトルコ代表ご一行様、タクシム広場の特設ステージでも本領発揮、わーわー歌ったり踊ったりしてるときも、イルハンはTVカメラに映らない後ろのほうでなんとなく控えめにしておりました。ただ長旅でくたびれてめんどくさかっただけかもしれないけど。

そんなイルハンが、観光客集めの宣伝にへらへら登場したりするんだろーか。
サッカー同様、祖国トルコのためならやってくれるんだろーか。
てゆか、そんなキャンペーン自体、実現するんだろーか、と気にはなるところ。
写真のとおり、トルコのブランドのファッションショーにはモデル出演なんかもしちゃってるんで、キライじゃないのかもしれませんが。

トルコのHürriyet紙がネット上で実施したアンケート「トルコ代表、誰がいっちばんオトコマエ?」でも、2位のエムレ(小)、3位のエムレ(大)を大きく引き離し、イルハンがだんとつトップという結果に。
今やトルコが誇るポップスター・タルカンをもしのぐ人気、とマスコミもこぞってイルハン熱に拍車かけまくり。

しかしもちろんイルハンにラブラブなのは、一般女子だけにとどまらない。
イタリアやスペインのクラブチームからも、選手交換を条件にベシクタシュに「イルハンくれ〜」と引き合いがある模様。イルハン自身もベシクタシュとの契約を延長する気はないようだし、近いうちにも行き先がはっきりするものと思われる。
中でもイタリアのキエヴォは監督自ら「イルハンのゴールは偶然ではない、彼はその瞬間を見抜けるヤツだ」とベタぼめ、現在そのサイト上のアンケートでも、サポーターはイルハンを「キエヴォでプレイするのを見たい選手」の1位に選んでいるとか。さらに、かのレアル・マドリードACミランなどもイルハン・ゲットに名乗りをあげているのだそう。
あぁ、イルハンまでレアルに入っちゃったらどーしよーっ。まさにまーさーにドリーム・チームぅっ!(興奮)

日本での人気がいつまでつづくかも含め、イルハンの今後の動向には注目、でございましょう。

[05.7.2002]


とゆのがW杯閉幕当時の状況だったわけですが、その後イルハンはベシクタシュ残留を決めました。
UEFAカップは準々決勝戦で惜しくも敗退したものの、ただいまのところトルコのスーパーリーグでベシクタシュは首位、イルハン活躍中でございます。
今年1月にはセゼン・アクスのコンサートで、ドイツ人の恋人ニナさんにド〜ラマチックな(笑)プロポーズ大作戦。
日本でも写真集出たりCMに出演したりと、人気はまだ衰えたわけではなさそです。

[05.5.2003]