イワクつきのアパート

トルコでも、ご存知99年8月の大地震でようやく建物の安全性や耐震性ってなことが言われるようになった。
でも、どうもトルコの建設業界にはそれ以前の問題がある、よーな気もする。

「安全第一」ってヘルメットかぶった作業員がていねいにアタマを下げてお願いしてる看板まであるような日本から考えたら、きわめてアバウト、トルコの建設現場には、安全管理責任者なんてものぁいなくてあたりまえ。
しかも叩き上げの職人さんともなると、なまじ腕に自信があるもんだから、「この俺様にかぎってヘマやらかすわきゃねーだろ」ってんで、身を守る予防策をあえてとらなかったりする。
つまりヘルメットなんぞ文字通り死んでもつけない。高いところで足場が多少ぐらついてたりしてもひょいひょい出てって作業しちゃったりする。まさに命知らずのこの過信。起こるべくして事故は起こるのだ。

さらに、作業員同士のケンカも事故の要因のひとつ。
たとえば、高いところでモメて、誤ってひとりが落ちる。落ちたところは建物基礎の生(なま)コンクリ。
えぇ、それからどぅなったって?

トルコの建設会社で勤務経験あり、現場も多く見てきた友人夫妻は、深くうなづきながら声を合わせてひとこと。
「うん、そりゃ埋まったまんま

あ・・・そぉ。
大きいプロジェクトともなると、いちいちかまっちゃくれないとゆわけね、、、うかばれんのぉ。

ある新築のアパート。
この建物のオーナーは他にもいくつもアパートを持っていて、いつも自分のアパートには女の子の名前をつけることにしていたという。しかし建ったばかりのそのアパートにはなぜか男の子の名前が。。
当時建設会社で働いていてオーナーのネーミング癖を知っていた友人が不思議に思ってたずねてみると、それは、建設中に事故で死んだ作業員を悼んだオーナーがその作業員の名をアパートに付けた、ということだったらしい。な〜む〜。

ちょっとヤな感じがしないでもないが、それでもこんなふうに誰かが死んだことがはっきりしてる場合はまだいい。
なんだか気づいてみたら工事のときから誰かずっと神隠し状態、なんていったら、不吉度はロケットアップ。

トルコで修繕改築などをお考えの方、壁や床あたりをいじる際には、なにが出てきても驚かない心構えをもってのぞむべし。

[19.4.2001]